碌山美術館にて篠田守男展(12/19迄)開催

ワイヤーで吊る彫刻で有名な篠田守男さんの展覧会が長野県安曇野市の碌山美術館で開かれています。篠田さんとはもう二十年近いお付き合いですね、彼が金沢の美大で大学院教授をしていた頃に、作家のヘンリー・ミラーの友人のアメリカ俳優に貰った帽子を被り僕の店にパイプを買いに来たのが最初。それ以来の付き合いです。彼はアメリカから帰国するときもヘンリー・ミラーが自宅で送別会を開いてくれたくらいだから当然面白い人です。誰かの本でヘンリー・ミラーが篠田さんの当時の奥さんを狙っていた、と読んだことがあり、本人に本当ですか、と訊くと、恰も「そこにリンゴがあります」程度の普通のことを述べるかのように、えぇそうでしたね、と認めてました。僕は彼の初期の作品が欲しいけれど、もう殆どの物は収まるとこに収まっていて無理、それと僕に買える値段じゃない。僕がとても可愛く若い女の子だったら作ってくれるかもしれないけれど、僕は男だし無理。ある時篠田さんとヤクザさんがよく来る温泉に行ったら、何とその日の湯船には全身彫り物のごつい男二人とその連れの矢張り筋肉隆々の色黒の外人さんが二人。何とも凄い光景で、篠田さんは可愛い子以外は「見えない」のでその屈強な男四人の湯船にチョロチョロと入って行き、嬉しそうに僕も入るように促し、少しして温泉が湧き出ている辺りに浸かっていた彫り物の男性が横にズレると早速篠田さんそこにちゃっかり移動。僕は、あぁシノダサンブツカラナイカナ、と思っていると、その男性が元に戻ろうとしてシノダサンとぶつかりシノダサンはニコニコとあぁすみませんと謝り、その後脱衣場で洋服を着ながら僕がシノダサンに、シノダサンヤクザさんがいましたね、と言うと、えっ、どこにいたんですか、と真顔でビックリしたように訊き返され、ました。凄いですシノダサン、貴方はアーティスト芸術家だと僕は思います。

それにしても屈強なヤクザ屋さんたち四人に囲まれたシノダサンと僕。何とも言えない光景でした。あぁ、言い忘れました。展覧会行って下さい、、是非。