王冠が彫られたフィンガーボール

フィンガーボール(12.8 x 6.0 cm)、イギリス製、1900年頃。王冠が彫られているので、王室と何らかの関係のある人たちによって使われた物だと思います。形はシンプルでよくある形ですが、この王冠があることで可成りレアな物となります。見ての通り薄いですが、ガラスの生地はとても良いです。

昨日久し振りに一人でバーに行きました。金沢で有名な、四十年以上されている高級バーです。これだけで地元の人は、あぁあそこね、と分かるくらい有名なバー。バーの店主は何かにつけスタンダードが高く中々人を褒めない辛口の人ですが、根はとても真面目で誠実な人柄です。まあ僕も人のことは言えないのですが、彼も割と何時もポーカーフェイスでブスッとした感じで笑顔になるのは稀なので、ちょっとニヒルで近寄り難い感じ。でも実は話すと最初の印象と可成り違っている。僕も初めてのお客さんが来ると割とブスッとして感じが悪い。もうちょっとどうにかしたいのだが直らない。何か最初は素っ気ないぶっきら棒な話し方になってしまう。笑顔で、何かお探しの物などございましたら遠慮なく仰って下さいね、何てムリ、言えない。結構素っ気ない感じで接客してると相手が言い難そうに、あのぅOOOさんの紹介で来たんですが、言って来られたりして、急に慌てて笑顔になりながら、あぁそうなんですか、と態度急変させてももう既に僕の印象は可成りマイナス。そこからそのマイナスをゼロに持っていき更にプラスにするには時間が掛かる。まあ上手くいけば来られた方に笑顔で帰って頂けるのだが。

まあ長年やっていてもちっとも接客上手くならない気がします。余計なこと言ったり、喋るのも何時も多過ぎか少な過ぎで、丁度良いというのが余り出来ない。でも、余り無理しないことにしてるんです。気の進まないことは余りしない、自分の好悪の感情に余り逆らわない、店に置きたくないものは売れても仕入れない。本当に好きな物を中心に仕入れる。自分の「好き」という感情を大切にする。そんな方針とも言えないようなやり方でやっていけたらと思っています。ワガママかもしれませんが自分が疲れないようにすることも大事だと思うんです。今フェルメールは二十四年目ですが、長く続けていくには無理しないことが大切だと思います。