小さなガラス湿板写真

楕円形の小さなガラス湿板写真(3.5 x 2.7 cm)、1850〜60年、イギリス製かフランス製。恐らく持ち歩くために革製のケースに入ってたと思います。母親と子供四人が写っているということは、所有者は父親で、例えば異国の植民地に居てこの写真を持ち歩いていた、とか。右上の男の子は眼が寄り目になってますがふざけているのか、それとも本当にそうなのか。右側の女の子の指をよく見ると細く綺麗な指ですね、詰まり彼女たちは中流以上の階級の家庭に育ち、日々の労働や家事とはほぼ無縁の環境にいる、ということ。恐らく召使いが少なくとも数人はいる家庭なのじゃないかと思います。19世紀半ばに写真に写るのは中流以上でなければ無理だったと思います。左下の小さな女の子可愛いですね。日本は未だこの頃は江戸時代ですが、女の子たちが着ている洋服の可愛いこと。この後この四人の子供たちはどの様な人生を歩んだのでしょうか。この時代のことだからこの四人の他にもこの年齢に達する前に亡くなった子供がいたのじゃないかと思います。

暑さのせいか夏バテか本を読んでも集中力に欠け、クラシックも聴く気がせず、ひたすらにジャズ、それもモンクとコルトレーンばかり聴いています。セロニアス・モンクのピアノは本当に独特で昔は彼の演奏聴いてもその良さが分かっていなかったと、今彼のピアノを聴いて思います。コルトレーンはマイルス・デイビスと同じで余りにも有名でもう何かジャズの代名詞みたいな存在だから、ずっと避けてたんですね。でも今聴いてると彼の演奏も素晴らしい。やっと今頃コルトレーンの良さが分かった。随分遅いですね。

文学で言うと、夏目漱石なんかも僕は殆ど読んだことがない、鷗外もない。荷風には昔から惹かれていてそれなりに読んだけど漱石は苦手で。漱石の弟子(?)にあたる中勘助は好きなのに何故か漱石はダメで。まあでも五年後は分からない、急に漱石読みだすかもしれない。中勘助の「犬」なんて昔夢中で読みましたね。春樹を読みだす可能性はゼロだけど漱石は無いとは言えない、何時か「明暗」なんかを読んでるかもしれない。

この最近の猛暑とコロナ蔓延で店には殆ど誰も来ませんね。まあ仕方ないですね、アンティークは日常品でもありませんし無くても困らない。ホームページのほうを頑張りますかね。暇な方は遊びにお越し下さい。でないと、接客の仕方忘れそうです。まあ冗談はさておき、お時間ある方はどうぞ。