1770年頃のレース・グラス(9.7 x 6.4 cm)。実際にレースが入っている訳ではなく白く細い部分もガラスで作られています。18世紀の後半に流行します。イギリス製で、当時の上流階級の人がコーディアルなどを飲んだ物です。高級グラスなので18世紀後半でもガラス生地は透明度が高く、グレー色を帯びていたりはしません。ガラス生地は鉛を沢山含んでいるので指で軽く弾くと金属音がします。当時のブルジョア階級のグラスです。これくらいのグラスは使わずショーケースなどに入れてライトに当てて飾っておくだけでも周りの雰囲気を変えます。気品あるグラスです。
ここ数週間ジャズばかり聴いています。新しい発見も幾つかあり、ピアニストのセロニアス・モンクの演奏にとても惹かれています。彼のピアノを聴いているとショスタコーヴィチを連想するのです。ジャンルを超えてこの二つには何かの共通点を感じています。今モンクの3枚組CDが届くのを楽しみに待っています。もう70年以降のジャズは聴けないんじゃないかと思えるくらい、1950年代、60年代のジャズに強く惹かれています。迫力ある長いフレージングも魅力ですが、それだけでなく演奏が粋なんですね。クリフォード・ブラウンのトランペットなんかの微妙なリズムのズレ、間合い、音の高低の飛び具合い。それが本当に粋なんです。エディ・コスタのピアノも最高です、もうあの叩くような音と迫り来るリズムは麻薬ですよね。
暑さとコロナでの憂さをジャズ音楽で晴らしてるのが最近の私。午後も裏部屋でずっとジャズ聴いてると日が暮れて夕方になり、あぁ今日も一日終わってしまったな。ジャズにコーヒーとパイプ、それに読書。New York Times の週末のコラムも結構面白くてゆっくりながらも楽しんで読んでます。今週もある女性作家自身の体験に基づくエッセー、十二年に渡るある男性との関係の変遷がとても面白く綴られていました。一夏の肉体関係を求めて友人の紹介で始まった結びつきが、他の男性がいるときは途切れながらも、消えることなくそれが徐々により精神的なものに変化していき最後は二人がお互いの存在の大切さに気付いていく過程を詳しく書いた長めのエッセーでした。ここまで深く読ませてくれる読み物は日本の新聞では殆ど出会えませんね。しかも実名で書いているのが凄いですね。
ジャズピアニストはまた改めて他の人も紹介したいと思います。
お元気で。
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