エナメル・ブローチ二つ

ノルウェー製のエナメル・ブローチ(長さ・白 4.8cm、緑 6.7cm)、1920年頃。白いほうの星模様のはちょっと珍しいデザインですね。二つとも状態も良いです。地金は925のシルバー、厚みと重さが程々にあり良いものです。僕の友人でイギリス人のアンティーク・ディーラーが時々ノルウェーに仕入れに行くのですが、彼がその時に仕入れた物です。今はコロナでブローチなど身に付けるものは余り売れませんがやはり良いものはそれでも仕入れて置かないといけません。アンティークで二度三度と見かける物は大体ぼちぼちの普通の物が多い、面白い物ほどその時に押さえて置かないといけません。イギリス英語かどうかは知りませんが、そんな一回切りの物のことをイギリス人は"One-off" という言い方で形容します。この世界に入って覚えた業界的な言い回しです。イギリス人には捻くれている人も時々いて自分の持ってるアンティーク(商品)を決して褒めない人もたまにいます。どちらかと言うと男性に多いような気がしますが、凄く良い物でも、結構良い(quite good)とか、まあまあ(so so)だとか、中には詰まらない(boring)とか言ってるんです。まあシャイと言うか、自分の物を褒めるのは嫌なのかも知れません。その影響か僕もたまに自分の店の物をお客さんに訊かれると、まあまあですよ、とか言うんです。僕としてはその表現で褒めてるつもりなのですが、まあまあ、という言い方ではどうも褒め言葉に聞こえないらしく、買うのをためらわれる人もたまにいますね。まあ、それはそれでしょうがない。骨董の世界なんて売り手と買い手の相性ですから。専門店ってどの世界であれそんなものだと思います。万人に受けるなんてことはない。

暑いですね毎日。コロナ蔓延、悲惨なオリンピック、そしてこの暑さ。誰だって気分が滅入りますよね。今の日本の状況に希望は少ないですね本当に少ない。でもね、個人レベルでは諦めたらまずいですね。まあ何処かで希望を繋いでおかないと。