変わった絵の嗅ぎタバコ入れ

イギリス19世紀後半のスナフ・ボックス(snuff box)、嗅ぎタバコ入れ(6,2 x 9,6 x 2,5 cm)。表面は漆に白蝶貝、中央の絵が不思議ですね、絵の部分の大きさは、7,3 x 4.0 cmで、この小さな中に微細なタッチで人が沢山描かれています。左の方に柵に入れられた大きな動物、恐らく像ですか、が見えます。それを見ようと大勢の人が集まっている、そんな絵に見えます。変わった箱ですね。作りもしっかりしてていい箱です。ただ、これを買う人はいるのでしょうか。売るのは難しい物ですね、物好きな人が来るのを待ちましょう。絵の描写力は凄いです。

今日店に来たのは、クロネコの集金の人とヤクルト配達の人、その二人だけ。後は僕は小さな裏庭で羊歯と苔に水遣りしたり、庭の草むしりをして過ごしました。庭いじりは心が休まりますし、余計なことを考えないのでいいです。

前に書いたように母が二月に交通事故に遭い、その後徐々に回復し、嚥下と歩行が出来るようになり大分良くなったのですが、脳挫傷の後遺症で今一時的に精神病院に入院しています。彼女は今 another world を生きている、とでも言ったらいいのか、彼女独自の世界を日々生きています。恐らく少しずつこちら側の this world に戻って来てくれると信じているのですが。今は前ほど悲しさは感じなくなりました、ただ、こっちの世界に戻って来てくれて、前のように普通に話せたら会話が出来たら良いな、と思っています。少し前に電話で話したときも、彼女は長いこと民謡と三味線をやっていて地元では割と有名な歌い手だったのですが、僕の声は認識して自分の息子とおよそ分かるのです、でも何故か彼女の世界では僕も民謡の歌い手になっていて、その前提で話しが進むのですね、母が、あんたが合いの手を入れてね、、というふうに僕に言うのです。悲しいを超えて不思議な感じですよ。

まあこんな不思議な気持ちも庭の草むしりをしているとしばし忘れられる、のですね。土弄りは精神に良いですね本当に。