うつのみや 香林坊店 にて「そらあるき フェアー」やっています。

4/18(日)迄、金沢香林坊の東急スクエア地階にある「うつのみや書店」で「そらあるき 臨時号」とその中の読書ページで紹介されている書籍を集めたフェアーが開催中です。「そらあるき 臨時号」も販売していますし、読書ページで紹介された本をそこで販売しています。お時間ある方は是非足を運ばれて下さい。僕も何冊か求めたいと思っています。

金沢も桜満開ですが、何処となく気が晴れない今年の桜ですね。去年のこの時期もコロナが既に蔓延していて、あの頃は、一年も経てばこの流行も終わっているだろうと思っていたのに、丸一年が過ぎ、去年と同じ桜を更に酷い流行の中で見ることになろうとは、なんとも気の重い薄ピンクの色景色です。一年間このコロナが続いたことの確認でもあるかのような繰り返し。

この一二ヶ月の間僕を慰めてくれたのは、音楽でした。ヘンデルのオラトリオ「セメレ」をレコードプレーヤーでかけ、暗い部屋で椅子に凭れかかり目を閉じてアリアの独唱をじっと聴く。中でも「眠りよ、私のもとを去らないで」というアリアがこの上なく美しく、それを何度も聴いてました。二月半ばに母の交通事故が起き、それからの一ヶ月余は心の隙間が埋まらず虚しく悲しい日が続きました。本も余り読めず、このオラトリオのアリアを身を委ねるように聴いてました。今は大分元気になり前よりは日々の生活に対する意欲も回復しています。ここ数年書いている小説の書き直しも終わり、今から最終の推敲に入ります。

書く作業の愉しさはこうやって少しずつ直していくことの中にあるんです。そのプロセスが愉しいわけで、恐らく終わって仕舞えばもうそれには愛着はあっても興味は無くなるんですよねきっと。物語は誰が書くのか。それは自分でもあるけど、本当の深い部分ではよく分からない、書いたのは自分だけど、実感としては余りそんな気もしない。誰が産み出したものなのかは実際謎だとも思うんです。雑誌の編集長の作業と物語を書く作業は全く遠く懸け離れた

二つのものです。使用する言葉もかなり違いますし。僕は矢張り一人でやる作業のほうが好きなのかなと思います。

ではお元気で。また次はもっといいことを書けたらと思います。