靴の形のナイフ・レスト

黒檀の靴の形をしたナイフ・レスト(ナイフ置き、7 x 3.5 cm)、イギリス製で、1800年頃の物。靴の形も18世紀頃の感じですね、仕入れた直後は何に使う物かピンと来なかったけれど、ある日これを見てて、そうだこれはナイフ・レストだな、と思いました。珍品と言えばそうかもしれません。あまり見たことはないですねイギリスでも。

昨日、映画を観ましたレイトショーで、三密どころか広い館内にたったの二人しか居ませんでした。人が混むところはいかないようにしてるので、人があまりいないのは予想してましたが二人だけとはちょっと寂しいですね。映画終わって涙のエンドロールで立ち上がったら僕一人だけ。誰もいませんでした。

「ヤクザと家族 The Family」を観ました。新聞に記事が載っていて、去年話題になっていた映画「新聞記者」と監督や製作スタッフが同じと知り、それなら面白いかもな、と思い足を運んだ次第。主演のヤクザ演じる綾野剛。いい俳優でした。大分前に流行って大きな賞も取ってた映画「万引き家族」ってありましたが、あんな日本映画、僕大嫌いなんです。俳優も映画の撮り方も下品で。簡単に言うと、汚いんですよね。ビートたけしの映画も嫌いですね同じような理由で。それでか僕の中では、最近の日本映画イコール詰まらない、という偏見が育っていたんですが、この昨日観た映画、良かったです。お勧めします。ヤクザ映画と言っても社会派の映画で、暴力団対策の法律が変わり追い詰められて居場所が無くなっていくヤクザの姿が内側から描かれています。14年の刑期を終えて出所して来た主人公がヤクザを取り囲む環境の変化に戸惑いながら追い詰められていく姿が淡々かつ執拗に描写されています。後は、ヤクザをやめた後も暴力団対策の法の縛りで生活がままならず、かつ一般人が集団となって無意識にすることが元ヤクザを追い詰めていく姿、暴力の連鎖などが描かれてます。暴力シーンも多いですがそれだけが浮いている訳でもなく意味がありますし、ジワジワと説得力のある映画でした。映画終わって外に出て自分の車に一人乗ったら、抗争中の組の者に狙われているような気がしてちょっとした音に反応してそわそわ周りを見回してしまう。そんな気分にさせられるくらいリアルな作りの映画でした。ただ、ところどころストーリー展開が上手く出来すぎかな。 まあでもそんなことも頭をよぎる暇もない面白さでした。俳優陣も良かったです。個人的には舘ひろしの組長役は少し違和感がありましたが、、。エンドロールに流れる歌も良かったですね、この映画のための書き下ろしらしいです。

一夜明けて今日は古本市で「墨美(ぼくび)」という70年代の書の専門雑誌を何冊か買いました。デザインも内容も良く、こんな良い雑誌を今まで知らなかったなんて不思議です。良寛と空海の特集号を買いました。コロナ禍の日常の中ではこんな良い映画や雑誌に出会うことで慰められますね。