額入りのサンプラー

イギリスのサンプラー(額の大きさ、タテ 47 cm、ヨコ 52cm)です。サンプラーとは中上流階級の女の子が刺繍のお稽古のために作るもので、お嫁に行くために身に付けておくことの一つとして、刺繍や縫い物が重んじられていたんでしょうね。でも実際は女の子にお付きの女中さんが代わりにやってあげて、仕上げる時に名前だけを自分で入れたなんてことも度々あった、と何処かで読みました。これは1802年に作られた物、額はもう少し後の物だと思います。ピンクと薄めのグリーンがベースカラーになっていて品の良いサンプラーです。

最近、店は暇ですが、「そらあるき」の作業と店の改装に関する仕事で忙しいです。改装も色々と決めることが多くて大変です。店の外に真鍮を染め抜いた看板を二つ作って貰うのですが、一つは「antique」と書かれた小さいプレート、もう一つは「VerMeer」と書かれた少し大きめのプレート。共に自分で書いた字を染め抜いて貰うので、この二つの文字をペンで何度も何度も書いていました。300回以上は書いたと思います。字が馴染んで来て自分の字になるまで何度も書くんです。一昨日やっと出来上がって、字を東京に送りました。字は難しいですね。意識すればいやらしい字になるし、かと言って漫然と書いてもいい字は出来ないし。練習のときはいい字が書けても、いざ清書になると固くなって字が何処か死んでしまうし。それでも、一旦プレートにして染めて貰うと、その字がずーっと残って毎日見ることになる。まあでも、観念して今書けるベストの字を送りました。友人がいいように仕上げてくれると思います。

「そらあるき」の臨時号も大詰めを迎えています。今全体のデザインをやって貰っています。こちらもいいものが出来てくるといいなと思っています。日々の生活の中で気は抜かないようにしてます。細かいちょっとした判断でミスをすると、それが元で大きな穴が開きますから。何かを作っていくときに、完成形のイメージを強くしっかりと持つことは大切だなと思いますね。そのイメージが弱くてぶれると出来てくるものもチグハグで魅力を欠いたものになりますし。

まあ後一息気を抜かず日々過ごしたいと思います。

お店は隣の鱗町に12/10オープンです。