アールデコ風の額

木の額、アールデコ風のデザイン(29 x 21 x 2 cm)ですが、イギリスの物かもしれないし、ドイツかもしれない。よく分かりません。時代は20世紀初頭かなと思います。変わったデザインの額です。縦にも横にも掛けられます。中に入ってるのはイギリスの1830年代の手紙です。アンティークの額はいい物も少なく、偽物も多いです。だから仕入れが難しい。

僕が時々通うお気に入りの台湾料理屋が金沢の郊外にある。台湾料理と言ってもやっているのは40才くらいの中国人の夫婦だ。安くて美味しくて量が多く、その上愛想もよく最高の店だ。旦那がフライパンで鍛えた太い腕を動かして何時も料理しているが、店の奥で料理にどんなに忙しくても、お客が帰るときはとびっきりの笑顔で大きな声で「ありがとうございました〜!」と必ずお客のほうを向いて言う。コロナになってから小柄の奥さんはゴーグルにマスクを付けているのでお顔は余り見えないが、それでも愛想のいい優しい表情はゴーグル越しに何故か伝わって来る。話によると金沢に店を構えて落ち着くまで、他の街でも店をやり苦労されたようだが、そんな感じは全く見せず何時も笑顔。何時行っても笑顔で変わらない。どんなに忙しくて疲れていても変わらない。偉いなと思う。一回だけ、何時もの笑顔が消えていたときがあって、どうしたの、と訊くと首の筋をちがえたらしく、クビマワラナイ、と言って苦笑していた。来る人に安い値段で美味しい物を食べさせて、笑顔で送り出す。それも毎日。偉い。何度も言うが、偉い。僕には出来ない。「ラーメン小」が280円で、それもしっかりした厚く大きいチャーシューが入って丼サイズだ。友人をたまに連れて行くと皆んなが、笑顔がいい店ね、と言う。心のこもった本物の笑顔だから皆んな癒される。最近はウソ笑顔の店が街中に氾濫してるのでここの店主の笑顔は貴重である。ここの店のスタンプカードも何枚も溜まっているが、申し訳なさ過ぎて久しく使ってない。スタンプカードはたまに人にあげている。ここに一人で行って、水餃子とニラ玉子などを注文して、ノンアルコールビールを飲みながらテレビを眺め寛いで食べる。最高だが、一人で二千円以上使うのは大変。大体次の日のおかずになりそうな物を作って貰い持ち帰りする。

最近の金沢の街はやたらと高くてオシャレな飲食店が多いが、なんか食べることの本来の姿からどんどんと離れて行ってるような気がする。そう、変なんです。