イギリス18世紀の水差し

18世紀後半の水差し、イギリス製(H. 15cm、W. 14cm)。大分前に仕入れた物です。仕入れた頃は赤と黄緑の彩色が何となく悪趣味な気がして余り好きではなかったのですが、今はこの色の組み合わせが好きです。僕の趣味が変わったのか、ただ見慣れてしまって気にならなくなったのか、その辺は分かりません。

昔からクラシックをよく聴きます。コンサートは滅多に行きませんのでステレオで聞くだけですがね。CDもそれなりに持ってますが、一つだけ集めている曲があって、それはJ.S.バッハのゴールドベルク変奏曲。この曲を色んな楽器で演奏してるCDを集めています。と言ってもその殆どはピアノで弾かれたものなので、色んなピアニストが演奏したゴールドベルク変奏曲を買い足していくのも好きですね。何と言っても一番有名なのはグレン・グールドの演奏でしょう。勿論僕も大好きです、特に後の録音のやつが。先日この僕のゴールドベルク変奏曲コレクションの仲間入りをしたのが、在フランスの中国人ピアニスト、シュ・シャオ・メイの演奏によるもの。彼女のゴールドベルク変奏曲が前から気になっていてやっと手に入れた次第。彼女の存在は大分前にNHKのFMラジオで偶然聴いて知りました。最近世の中暗いじゃないですか、それでステレオでゴールドベルクをかけ椅子に座って音楽聴きながら20年くらい前の芸術新潮などをパラパラ捲ってるときが一番寛ぎますね。雑誌もその頃はまだ勢いがあって面白かったですし、この20年で世の中がどれ程劣化したか、何てことも雑誌を見ていると頭をよぎるのですが、そんなことは取り敢えず考えないようにただ読むとはなしに視覚的に雑誌を楽しむんです。合い間にピアノの音に耳を傾け、聞き惚れたりもして。自分の中で以前よりも本や音楽が大切に感じられますし、骨董などにもより惹かれていく気持ちが強いようですね。好きな酒器に泡盛を入れ、ちびちびやりながら夜一人暗い部屋で音楽を聴く。

そういう謂わば「不要不急」のものが今の僕たちに慰みをもたらしてくれる。要らないもの無くていいようなものこそ大事ですよねこんな暗い時期には。日本の政治家さん達はこんなものに慰めを求めたりしないんですかね。たまには、不要不急のことをしないと人は持ちませんよ、コロナもここまで長期戦になってくると。そう思いませんか。